小学校でのプログラミング必修化が2020年に始まり、プログラミング教育の関心が高まってきています。

でも、何年生からプログラミングが始まるのか、どんなことを学ぶのかについてなど、なかなか保護者の方やお子さんも把握できていなのではないでしょうか?

そこで、今回は、小学校でのプログラミング教育がいつから始まり、具体的にどんなことを学んでいくのか、そして今からどんな準備をしていけば良いかについて、詳しく解説していきます。

小学校のプログラミング教育は何年生から始まる?

小学校は2020年からプログラミング教育が始まる

新しい学習指導要領では、小学校では2020年からプログラミング教育が必修化されることになります。ちなみに中学校では2021年度、高校では2022年度から順次プログラミング教育が始まっていきます。

そして、誤解しやすいですが、プログラミング必修化になっても小学校で「プログラミング」という教科が新しくできるわけではありません。

プログラミング教育は、算数や理科など既存の教科の中に組み込まれ、その教科の時間で実施されていきます。

例えば、文部科学省が平成30年3月に発表した「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」では、

  • 算数(5年生):プログラミングで正多角形を描く
  • 理科(6年生):プログラミングを通して電気の性質や動きを理解する
  • 社会(4年生):47都道府県を見つけるプログラムを活用して、地理を理解する
  • 総合的な時間: まちの魅力と情報技術を探究課題として学習する

といった内容の中で、プログラミングを扱うという方針があります。

なお具体的に何年生からプログラミングを学ばなければならないというようなことは新学習指導要領などに明記されていないため、プログラミング学習の進度は各市町村の教育委員会や教育現場で決められていくことになります。

ただ、使用される教科書の内容からですと、ほとんどの小学校では5,6年生の算数と理科でプログラミング教育が始まると考えられます。

また、一部の進学校や市町村では、すでにプログラミング教育を実施しているところもあり、積極的にプログラミング学習を進めている学校も出てきています。

小学校プログラミング教育では移行準備の期間はあるの?

新しい学習指導要領は、小学校が2020年度、中学校が2021年度、高校が2022年度から全面実施されます。

そして、学習指導要領の実施に当たっては、一度に学習内容を変えるのではなく徐々に新学習指導要領の内容を教えていくことになります。(これを移行措置と言います)

この移行期間がなぜあるかというと、学習指導要領の変化によって、「学ぶべき内容が学べない」ということがないようにするためです。

もし学習内容を一気に変えてしまうと、新しい学習指導要領の内容を学べない学年が出てきてしまいます。

例えば、来年から新しい学習指導要領で小学校で習うべき漢字が追加されたとしたら、今の6年生はこのままですと、それらの漢字を学ばないことになってしまいます。

そのため移行期間を設けて、学習指導要領の実施で必要になることは、移行期間の中で学習しておくことになります。

なお、今回の小学生のプログラミング必修化に関しては、2019年ごろから移行期間となっていますが、実質的には2020年から一斉に全面実施になるため、移行期間はほぼないでしょう。

そこで、今のうちからプログラミング教育について把握して準備を進めていくことが大切でしょう

小学校のプログラミング授業の内容

文部科学省が公表している「 小学校プログラミング教育の手引(第二版) 」 では、具体的な事例が紹介されています。

  • 算数: プログラミングで正多角形を描き、正多角形の性質を理解する
  • 理科:センサーやモーターの動きをプログラミングを通じて体験し、その性質を理解する

例えば、算数の正多角形の授業内容は、正多角形の特徴をまずは学習し、その後プログラミングを使って正多角形を実際に描いてみるという授業例になっています。

詳しくは、以下のページで解説しています。

小学校でのプログラミング教育の目的や狙い

実は、小学校ではプログラミング言語自体を教えることはしないです。つまりプログラミング言語の文法を学んだり、プログラムを書けるようになることは目的ではないです。

プログラミング教育を通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりすることは考えられるが、それ自体を、ねらいとはしない。

小学校プログラミング教育の手引(第二版 )より

では、プログラミング教育は何を目的に実施されるかというと主に次の3つになります。

  • プログラミング的思考をつけること
  • 身近な生活で、コンピュータが多く活用されていることに気づくこと
  • 各教科の内容をプログラミングを通じて、確実なものとすること

プログラミング的思考とは、コンピューターを自分の思った通りに動かすために、どの動きをどう組み合わせればよいか論理的に考える力のことです。授業内では、自分でプログラミングを行い試行錯誤しながら、論理的に考える学習をしていくことが期待されています。

また、授業内で、どのような形で、コンピュータやプログラムが社会で多く活用されているかを学び、またコンピュータを扱う体験をすることで、子どもたちのプログラミングへの興味を高めていきます。特に、これからの時代はIT人材が不足していくだろうと言われているため、子どもたちにもっとプログラミングやITに興味を持つきっかけになるのではないでしょうか。

そして、プログラミングは各教科の中で実施されていきますが、プログラミングで自分の手を動かして授業内容を学習することで、授業の内容を深く理解することが可能になります。例えば、算数では、正多角形をプログラミングで実際に画面上に描くことで、その性質をより理解することにつながります。

どんな準備が今から必要?小学校プログラミング必修化に向けて

では、小学校でのプログラミング教育に向けて、今からどんな準備が必要か見ていきたいと思います。

準備①「プログラミング」について知っていこう

プログラミングについてあまりなじみがないご家庭は、まずは「プログラミング」とは何なのか?について知っていくことをおススメします!

なかなかプログラミングという言葉を聞いただけだと、イメージしづらいため、インターネットや本などでプログラミングってどんなことをするのか知っていくと、プログラミング学習を始める際に良いスタートを切れると思います。

学びプラスでもプログラミングについて詳しく解説しています。

おススメのプログラミング本 「ルビィのぼうけん」

また、プログラミングやコンピュータについて分かりやすく解説している本を購入して読んでみることも良いでしょう。

例えば、「ルビィのぼうけん」という本は、絵本のように読み進めることができ、プログラミングなどの知識を学ぶことができます。

  • 対象学年:小学校低学年、小学校中学年
  • 価格:1800円
  • おすすめポイント:
    • 絵本を読むことで、コンピュータやプログラミングの基本知識を身につけられる
    • パソコンやタブレットは使わず、小学校低学年の子どもでも読むことができる
    • 絵本の前半はルビィが主人公の物語、後半は練習問題になっており、楽しみながら学べる
    • 20か国以上で翻訳されている人気のプログラミング教材

詳細(翔泳社サイト)へ

準備② プログラミングを体験してみよう

プログラミングについて「何となく分かった」、「ある程度知っている」というご家庭では、お子さんと一緒にプログラミングを体験してみることをおすすめします。

手を動かして自分でプログラミング体験することで、プログラミングの面白さや楽しさに気づくことができ、興味を持って学習をしていくことができます。

最近はプログラミングの関心の高まりとともに、そういったプログラミング体験できるイベントが多く開催されているので、近くのプログラミングのイベントに参加して、ゲーム作成やロボット作成など色々な体験をすることができるでしょう。

また、なかなかいきなり一般のプログラミングイベントに参加するのは不安と言う方は、公共の施設で開催しているプログラミングのイベントに参加してみるのもおすすめです。

準備③ 本格的に学びたいときはプログラミング教室もおススメ

プログラミングに興味があり、もっと本格的にプログラミングを学習していきたいという場合には、プログラミング教室に通ってみるのもおすすめです。

プログラミングの学習方法というと、家庭内学習プログラミング教室に通うことが考えられると思います。

家庭内学習は、費用を抑えつつ、お子さんの興味に合わせた教材を使っていくことができます。その一方で、何か分からないことがあった際に、教えられる人が近くにいなかったりして、学習が進まなくなったり、モチベーション維持が難しかったりもします。

プログラミング教室は、お子さんのレベルや学年などに合わせたカリキュラムを用意しているところもあり、幅広い要望に応えてくれます。また、教える講師もプログラミングに詳しいため、分からないことがあれば、すぐ質問することも可能です。そして、様々な子どもが集まり、みんなで学習するので、お互いに刺激しあって学習を継続することも期待できます。

準備④ プログラミング教育の情報を集めていこう

もっといろいろプログラミング教育について知りたいという方は、文部科学省、総務省、経済産業省が運営しているプログラミング教育のサイト「未来の学びコンソーシアム」を見てみるのもおすすめです。

具体的なプログラミング教育の事例などが掲載されており、どんな授業が行われそうかイメージすることができます。

また、各学校での取り組み事例だけでなく、そこで使われている教材も載っているため、気になるものがあれば教材によっては無料で利用することもできます。

まとめ:プログラミング教育は始まったばかり

2020年から小学校でのプログラミング教育が始まりますが、新しい取り組みなので、まだまだいろいろな情報が出てくると思います。

たくさんの情報があり、迷ってしまうことがあるかもしれませんが、本ページで解説した準備をしておくことで、不安にならずにプログラミング学習を進めていっていただければと思います。

プログラミング教育は始まったばかりで、どのご家庭でもスタートは同じなので、良いスタートができるように今から準備を進めていきましょう!