2020年から文部科学省の定める教育方針の基準(学習指導要領)が改訂されます。
それに伴って、プログラミング教育が充実します。
目次
学習指導要領が変わるとどうなる?
2020年から新しい学習指導要領が始まり、プログラミング教育が学校で行われるようになります。
そもそも「学習指導要領」って何?
まずは、「学習指導要領」の定義はこのようになっています。
文部科学省が定める教育課程(カリキュラム)の基準であり、全国どこの学校でも、学習指導要領に基づき教育課程(カリキュラム)が編成される
簡単に言うと、国が決めている学校の教育方針のことです。
その方針に従って学校の授業内容や教科書が作られています。
そのため、全国どの学校に行ったとしても、決まった授業内容を受けることができるのです。
ちなみに「学習指導要領」は約10年ごとに見直されていて、時代の変化やこれからの社会に必要な教育が行われるように改訂されます。
また、学習指導要領は「小学校」「中学校」「高等学校」「特別支援学校」の種類ごとに定められていて、公立・国立・私立すべてに適用されます。
私立だからという理由で、学習指導要領を使わず、自由に教育できるわけではないんです!
新しい学習指導要領の実施時期
新しい学習指導要領は、以下の予定で実施予定になっています。
小学校は2020年、中学校は2021年からの実施になっています。
ここまでのまとめ
- 「学習指導要領」が変わることよって、授業内容や教科書の内容が変わっていき、2020年からは「プログラミング教育」が取り入れられる
- 今後は、人工知能や通信技術の発達によって、より人間とコンピュータの関係が密接になるため、活躍できる人材作りのために、プログラミング教育などIT技術を学ぶ教育が充実していく。
プログラミングが必修化になるとこうなる!
学習指導要領が変わることによって、小学校、中学校、高校でプログラミング教育が行われるようになります。
必修化でどのような教育が行われるのか?
やっぱりプログラミングのスキルを学ぶのかな?
コンピュータにこの動きをさせるためには、このプログラミング言語を使って、こういった文法でプログラムを書いて・・みたいな。
実は、少し違うんだ!
プログラミングのスキルも大切なんだけど、「プログラミング教育」では、もっと大切なことを学ぶんだ。
それは、「プログラミング的思考」というものなんだ。
プログラミング授業というと、プログラミング言語を学び、パソコンをずっとカタカタ動かすイメージがあるかと思います。
しかし、授業では、プログラミングスキルではなく、「プログラミング的思考」を学ぶことを重視します。
プログラミング的思考とは?
文部科学省が提言した「プログラミング的思考」の定義
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
少し説明が複雑なので、簡単な言葉で置き換えると
「コンピュータにやってほしいことをしてもらうために、どのような動きを組み合わせをすればよいかを論理的に考えること」となります。
例えば、ロボットを走らせるということを考えるとします。
走るためには、「右足を前に出す」「左足を前に出す」「腕をふる」などいろいろな動きを組み合わせる必要があります。
それらの動きをどのように組み合わせたら、ロボットがうまく走れるかを順序立てて考えることが、「プログラミング的思考」です。
プログラミング授業では、そのプログラミング的思考を学んでいくことになります。
具体的な授業例はどんなものになる?
小学校5年生の算数では「プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形を書く」という授業例が挙げられています。
下図は、スクラッチというプログラミング言語を使い、正多角形を作図する例となります。
またほかにも、
- 理科:センサーやモーターの動きをプログラミングを通じて体験し、その性質を理解する
- 音楽:音やフレーズをどう組み合わせるかを考え、コンピュータ上で音楽を作成する
また、理解しておきたいこととして、「国語」や「算数」などのように、「プログラミング」という教科ができるわけではないということです。
上記の例からもわかるように、既存の教科の中で、プログラミング教育を実施していくということになります。
【まとめ】学習指導要領の変化によってこう変わる!
- 2020年から、プログラミング教育が開始。既存の教科の中に組み入れられていく。
- プログラミングの文法を暗記していくというより、プログラミング的思考(論理的な”考え方”)を学ぶことが大切になる。
プログラミング教育が必修化になることで、「論理的に物事を考えていく」学習が充実されていくでしょう。